セブで思ったこと。

ちょっと前になりますが、カメラ仲間のIさんに誘われフィリピンのセブに行ってまいりました。聞けば、セブ空港のあるマクタン島にドローンや写真を楽しんでらっしゃる日本人のお知り合いがおられ、エア(LCC)と宿がセットになった3泊4日(実質は3泊2.5日)のツアーが3万5,000円であるとのこと。もちろん断る理由などなく、一つ返事で行くことになりました。

 

今回の海外は日程も日程でしたし、全て前述の日本人の方に案内してもらうため初めての土地ながらほとんど予習のようなことはしていません。頭のなかにあるのは青い空と青い海、そしてそこでドローンを飛ばす我々、というような貧素なイメージしかこの旅行には持ち合わせていませんでした。

 

成田から約5時間、セブ国際空港に到着し、我々を待っていたのは宿まで送り届けるツアーのガイドさんでした。用意されたワンボックスに乗り早速宿に向かうことになりました。

 

ところが空港を出ると周りの様子が一変。バラック小屋が立ち並ぶ雑然とした通りに出たのです。小屋はお世辞にも綺麗とは言い難く、その周りには多くのゴミが落ちており、さらに空き地のようなところはゴミ捨場のような有様。とりあえず舗装されている道路にはトライシクル(タクシー代わりとなるサイドカーのようなもの)や、ジプニー(主に小型トラックを改造した乗り合いバス)などが溢れ活気はありますが、所在無げに椅子に座ったり、立っているひとも多く、さらにやせ細った野良犬があちこちに。正直観光地の雰囲気ではありません。

 

ツアーのガイドさん曰く、貧困街でフィリピンでは珍しくないとのこと。また、貧困街で生まれたら抜け出すことは厳しいとのことでした。ちなみに、フィリピンは高校まで義務教育らしいですが、貧困街の子どもたちは小学校低学年で登校しなくなることが多く、そのため大人になっても公用語である英語が喋れないそうです。フィリピンの貧困率などについては多少知っていたつもりでおりましたが、世界的なリゾート地であるセブでもこんなに身近にあるものなのかとのっけからカルチャーショックを受けました。

 

さらに驚かされたのが貧富の差が驚くほど激しいこと。貧困街のなかに鉄製の大きな扉を備えたところがいくつかあり、その多くは銃を下げたガードマンが立っていました。中はいわゆる高級マンションで、私たちもそのようなひとつにIさんの知人の方のおかげで入ることができました。広大な敷地の中はゴミ一つ落ちておらず、しかもそのつくりは日本の高級マンション以上。プールを備えているところも珍しくなく、扉の外と内の違いを強く知らしめるものでした。

 

フィリピンのドゥテルテ大統領が麻薬撲滅に関し超法規的な行動を取り、欧米の人権団体などから強い非難を浴びています。しかしながら、治安が目に見えてよくなったとこの地では大統領を支持する人がほとんどだそうです。麻薬撲滅の是非についてはここで問うつもりはありませんが、貧困に対しても何らかの手だてを積極的に講じてほしいところです。

 

 *写真はクルマのなかから撮影したものです。 

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