「Japan Drone 2021」に行ってきました。

6月14日から16日までの3日間、千葉の幕張メッセで「Japan Drone 2021」が開催されました。昨年2020年は中止となったため2年ぶりの開催です。私自身も今回の開催を心待ちにしておりしたが、最終日16日ようやく会場を訪れることができました。今回そのなかで私的に印象に残ったドローンをいくつか簡単に紹介したいと思います。

 

D-HOPE(株式会社センチュリー)

赤い機体から察せられるとおり災害救助用ドローン。救命具や消火弾などの搭載に対応する。中国製で国内の販売はこれから。主に自治体(消防関係)やプラントなどでの使用を想定しているという。「D-HOPE III」(写真上)がペイロード25kg、「D-HOPE I」(写真下)がペイロード6kgで、いずれも最大飛行時間1時間、耐風性能14.8m/s、防塵防水性能IP64 相当とする。

f:id:ho_man_bow:20210619113636j:plain

D-HOPE III

f:id:ho_man_bow:20210619113650j:plain

D-HOPE I

 

フタバ 「FMC-01」

送信機(プロポ)で有名なフタバの提案するヘキサタイプのドローン。ペイロードは8.9kgで様々な用途に対応するという。最大飛行時間は8分(ペイロード8kgの場合)、防塵防水性能IP43相当とする。

f:id:ho_man_bow:20210619113705j:plain

FMC-01

 

日本鯨類研究所 「試製飛鳥改四」

最高速度160km/h、航続距離100kmを誇るVTOL機。耐風性能は最大15m/sとし、洋上での使用も想定している。ペイロードは5kg。ちなみに日本鯨類研究所一般財団法人で、その名のとおり鯨類など海産哺乳類の研究調査を行う団体である。

f:id:ho_man_bow:20210619113717j:plain

試製飛鳥改四

 

プロドローン 

愛知県のプロドローンはいくつかのドローンを展示。「PDH-GS120」(写真上)はガソリンエンジンを採用したシングルローター機。ペイロード10kgとしており、その状態で2時間の飛行を可能としている。「水空合体ドローン」(写真下)は機体下部に水中ドローンを仕込んだ開発中のドローン。遠隔で水中での点検を可能としている。2022年に商用化の予定とのとだが、1960年代後半にイギリスで制作された有名な特撮人形劇を思い起こすひともいるのでは。

f:id:ho_man_bow:20210619113735j:plain

PDH-GS120

f:id:ho_man_bow:20210619113750j:plain

水空合体ドローン

 

テラ・ラボ

同社も愛知県のドローンメーカー。「TERRA Dolphin 8000」(写真上)は大型の固定翼機で、レシプロエンジン/水素燃料電池/ジェットエンジンのいずれかを動力とする。ペイロードは40kg。最大速度140km/h、最大航続時間20時間、最大航続距離2,000kmを想定している。「TERRA Zephyr 3300」(写真下)はハイブリッドエンジンまたは水素燃料電池を動力とするクアットコプターで、ペイロードは10kgとする。最大速度35km/h、最大航続時間2時間、最大航続距離40kmが主要なスペック。どことなくドローン黎明期のARドローンをイメージさせる機体だ。

f:id:ho_man_bow:20210619113937j:plain

TERRA Dolphin 8000

f:id:ho_man_bow:20210619113951j:plain

TERRA Zephyr 3300

 

ヤマハ

古くからシングルローター機を製造販売しているヤマハ。「FAZER R G2」(写真上)はその最新モデル。排気量390ccの水平2気筒ガソリンエンジンを搭載し、ペイロードは35kgを実現。最大速度20m/s、最大航続時間1時間40分、最大航続距離90kmとする。「YMR-08 AP」(写真下)はオクトコプター。展示では農薬散布仕様としていた。粒剤、液剤とも10Lが搭載可能。ヤマハらしくスマートな印象の機体である。

f:id:ho_man_bow:20210619114005j:plain

FAZER R G2

f:id:ho_man_bow:20210619114021j:plain

YMR-08 AP

 

ソニー「Airpeak S1」

今回のJapan Drone 2021で最も注目を集めたドローンである。大型機であることは間違いないのだが、思いのほかコンパクトに仕上がる。現時点では映像撮影用に特化しているが、測量等の用途も今後考えていきたいとのこと。機体のみ税込110万円前後、発売は今秋を予定する。

f:id:ho_man_bow:20210619113802j:plain

Airpeak S1

f:id:ho_man_bow:20210619113814j:plain

Airpeak S1の送信機。同社ロゴが新鮮。

f:id:ho_man_bow:20210619113827j:plain

専用バッテリー。機体には2個搭載する。価格未定。

f:id:ho_man_bow:20210619113840j:plain

別売となるジンバルはGREMSY社製。価格は税込20万前後を予定。

f:id:ho_man_bow:20210619113857j:plain

プロペラは全長50cmほど。

f:id:ho_man_bow:20210619113910j:plain

正面にあるFPVカメラとビジョンセンサー。機体とカメラの“2オペ”による操縦も可能。

f:id:ho_man_bow:20210619113924j:plain

Airpeak S1にGREMSY社ジンバルを介して懸架されたα7s。今後の活躍が楽しみだ。